はじめに
調査概要と目的
本記事では、小学校の子供を持つ保護者の方を対象に、「子供の運動能力と運動習慣」に関する最新情報を整理します。背景となるのは、国が毎年実施している「全国体力・運動習慣等調査」です。
- 調査の目的: 子供の体力向上施策の成果と課題を把握し、各教育委員会・学校・保護者が改善策を検討するためのデータを取得すること。
- 調査対象: 小学校5年生・中学校2年生(特別支援学校を含む)全員。
- 調査内容: 反復横とび、上体起こし、握力などの実技テストの結果と、生活習慣(朝食、睡眠時間、スクリーンタイム等)に関する質問紙調査の回答。
これらのデータからは、子供の運動時間が不足している傾向や、性別・学年別で異なる課題点が浮き彫りになっています。親としては「子供の運動能力は本当に大丈夫なのか?」「具体的に何を改善すればいいのか?」という疑問を持たれることでしょう。以下では、そのポイントを整理しつつ、子供の運動神経を改善するための遊び方や、運動習慣形成のヒントを提供します。
全国調査で見えた子供の体力・運動習慣の傾向
- 小学生男子は持久力が回復傾向
- 新型コロナウイルス感染症蔓延前と比較して、小学校男子の体力合計点は向上傾向があります。
- 持久走(シャトルランなど)の数値が回復した集団も報告され、感染症拡大による運動機会の制限が緩和されてきた影響がうかがえます。
- 小学校女子は体力合計点が過去最低
- 一方で、小学校女子の体力合計点は下がり続ける傾向にあり、過去最低水準とされています。
- 特に中学年~高学年の女子は運動離れが生じやすいとされるため、日常的に運動機会を増やす工夫が必要です。
- 生活習慣の乱れと体力合計点の関連
- 朝食を毎日食べる、1週間あたりの運動時間を十分に確保する、スクリーンタイムを減らすといった基本的な生活習慣が体力合計点に大きく関わっています。
- 特に、スクリーンタイムが3時間以上になると体力合計点が全国平均を下回る傾向が顕著でした。
- 睡眠時間の改善は一部で見られる
- 小中学生の睡眠時間は少しずつ延びているという報告もありました。8時間以上睡眠をとる子供ほど、運動意欲や体力合計点が高い傾向にあります。
- 反対に、極端に短い睡眠が続く場合は成長ホルモンの分泌にも影響するため、早寝早起き習慣の徹底が大切です。
- 保健体育の授業を「楽しい」と思う子ほど意欲が高い
- 学校の授業を前向きに捉える子供は卒業後にもスポーツや運動を継続したい意欲が高いことがデータから示唆されています。
- 「運動能力が上達したとき」「友達と協力できたとき」など、達成感や仲間との交流がモチベーションに直結することが分かります。
子供の運動神経を改善するためのポイント
週あたりの運動時間を把握する
国の調査では、週に420分(1日平均60分以上)の運動が理想的とされています。家でテレビやゲームの時間を記録し、「運動時間を1日1時間確保できているか」をまずチェックしてみましょう。
- 小学校女子の場合: 特に運動離れが起きやすいため、平日に10~15分程度の短いアクティビティをこまめに取り入れるだけでも違います(例:縄跳び、ダンス、軽いジョギングなど)。

朝食・睡眠といった基本生活習慣の見直し
- 朝食をきちんと食べる: 脳と身体のエネルギー源補給だけでなく、リズムある生活の土台になります。
- 十分な睡眠: 成長ホルモンの分泌や疲労回復に不可欠であり、1日1時間運動するにはエネルギーをしっかり蓄えることも重要です。

スクリーンタイムとの付き合い方
テレビ、ゲーム、スマートフォンに費やす時間(スクリーンタイム)が長いと、結果的に屋外遊びや運動の時間が削られるリスクが高まります。
- メリハリをつける: 「ゲームは30分だけ」「夜7時以降はタブレット禁止」など、ルールを明確に。
- 代わりに体を動かす選択肢を用意: 楽しめるスポーツ体験や遊び方(たとえばバランスボール、フラフープ、ダンスゲームなど)を準備しておくと自然に体を動かす機会が増えます。

供の運動神経を伸ばす具体的な「遊び方」アイデア
次に、日常生活で取り入れやすい具体的な遊び方の工夫を挙げます。
- 縄跳びチャレンジ
- スピード縄跳びから二重跳びまで、レベルに応じた目標を設定。達成感と心肺機能強化を同時に得られます。
- ボール遊び
- キャッチボール、バスケットのシュート練習、ドリブル遊びなど、反復練習によって空間認知や反応速度が向上しやすいです。
- リズムダンスや音楽を活用
- 子供の好きな音楽をかけてリズムに合わせて体を動かすと、バランス感覚や瞬発力を養えます。モチベーション維持にも効果的です。
- 親子でできる体幹トレーニング
- プランクやブリッジなどの軽い体幹運動を親子で一緒に行うと、互いに継続のモチベーションを高め合えます。
- 自然の中で走り回る
- 公園や広場での「鬼ごっこ」「かくれんぼ」などは、全身運動かつ俊敏性や瞬発力を鍛える遊びです。外で遊ぶ機会を意図的に増やしましょう。
保護者が押さえておきたいポイントと今後の展望
- 学校・地域との連携: 調査でも、保護者の理解と協力が重要だと示されています。地域で開催されるスポーツイベントや、学校の体育参観・保健授業の取り組みをチェックしましょう。
- モチベーション形成: 「授業が楽しい」「友達と協力できる」と感じる子ほど、卒業後も運動を続ける意欲が高いという結果があります。家庭でも「できなかったことができるようになった」ときにしっかり褒め、成功体験を重ねさせる工夫が大切です。
- ICT活用の可能性: 学校現場でも増加傾向にあるICT活用(動画でフォームの確認など)は、家庭でも応用可能です。お手本動画や自身の動きを撮影・振り返りすることで、子供の意欲を高められます。
- 生活リズム全体のバランス: 運動神経の改善には生活習慣が密接に関わります。朝食、睡眠、スクリーンタイムなど、日々のリズムを整えることで効率よく運動効果が得られるはずです。
まとめ
小学校の子供を持つ保護者の皆さまにとって、子供の運動神経や週あたりの運動時間は見過ごせない課題です。国の「全国体力・運動習慣等調査」の結果を見ると、特に小学校女子の体力低下や、スクリーンタイム増加の影響が深刻化しています。しかし、以下の点に留意することで、改善の余地は大きく広がります。
- 週420分(1日60分以上)を目標に運動時間を確保する
- 朝食を欠かさず、十分な睡眠をとる習慣づくり
- ゲームやスマホ、TVなどのスクリーンタイムをコントロール
- 達成感が得られる遊び方やスポーツ体験を提供
- 保護者・学校・地域が連携し、継続的に子供をサポート
子供の運動神経が気になる保護者の皆さまには、まずは小さな習慣から改善を図るのがおすすめです。子供が楽しく、無理なく継続できる形で毎日の生活に運動を取り入れ、生涯にわたって運動・スポーツに親しむ基礎を一緒に築いていきましょう。
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