なぜ同僚と会話がかみ合わないのか?
コミュニケーションには「伝える力」と「受け取る力」、そしてそれらのバランスが重要です。ユニバーサルトークを理解するためには、まずなぜあなたの話が相手に伝わらないのか、その理由を考えてみましょう。
例えば、伝える能力と受け取る能力のバランスが大切であることが示されています。視野が狭かったり、家族型のコミュニケーションに偏っていると、特定の人にしか話が伝わらないことがあります。これが、職場で「なぜ話が伝わらないのか」を考える際の重要なヒントです。
現代社会での家族型社会と公共型社会の比重が変わりつつあり、コミュニケーションの難しさが増していることが示唆されています。特にSNSなどが広がり、コミュニケーションの幅が広がる一方で、家族型の温かみを持つコミュニケーションが減少しているのです。このような変化に対応するためには、両方の特性をうまく使い分けることが求められます。
また、相手のバックグラウンドにある価値観や立場を理解することが大切です。公共型のバックグラウンドに基づく考え方に対して、家族型の温かみを持って共感することで、相手とのコミュニケーションが深まります。このように、相手の視点を取り入れつつ自分の伝え方を調整することが、効果的なコミュニケーションの基本です。
職場で同僚と全く会話がかみ合わないこと、ありますよね。意見が対立したり、相手が全然あなたの話を理解していないように感じたり。特にプロジェクトが進まないとき、話がどこに向かっているのか迷子になることもしばしばです。
こんなときに役立つのが「ユニバーサルトーク」と「戦闘思考力」。このブログでは、これらの概念を使ってどうやって職場で効果的なコミュニケーションを取るか、その方法をわかりやすく解説します。
ユニバーサルトークとは?
ユニバーサルトークは戦闘思考力を発揮するための基盤となるマインドセットです。ユニバーサルトークが十分にできて初めて、戦闘思考力が効果的に機能します。ユニバーサルトークは、誰にでも通じる話し方や伝え方、共感能力を養うことを目的としています。そして、それが職場での対話をよりスムーズにし、相手の立場や感情を理解する土台を築くのです。
このように、ユニバーサルトークによって共感能力が養われると、状況や相手に応じて戦闘思考力が働きます。共感能力がないと戦闘思考力が空回りし、逆に対話が難航してしまうリスクがあります。そのため、まずはユニバーサルトークをマスターすることが、戦闘思考力を発揮するための重要なステップです。
ユニバーサルトークとは、複数の立場の人々が「共通の方向性」を見つけ、全体として一つにまとまることを目指す話し合いのスタイルです。単なる意見の衝突や妥協ではなく、相手の言葉を一度受け止めたうえで、双方にとって新たな価値を生み出す対話のプロセスです。
各人がどの位置に立っているのか視覚的に理解し、それに基づいてどのような方向性があり得るかを探ることができます。これにより、「賛成・反対」といった二極的な考えにとどまらず、第三の可能性、もしくはまったく新しい合意点を見つけることが可能です。
戦闘思考力とは?
戦闘思考力は、図9で示されるように「ハイパワーの思考力」「どんな価値観にも合わせられる応用力」「強く頼れる自己」の3つの要素から成り立っています。これらの要素を組み合わせて活用することで、単なる議論を超えた深いコミュニケーションを生み出すことが可能になります。
さらに、戦闘思考力にはこのギアの概念は、状況に応じて思考スピードを切り替えることを指します。
- トップギア:回転数(思考スピード)が速く、共感力が低い状態です。迅速な意思決定や即座の反応が必要な場面で使われます。
- ミドルギア:回転数が中程度で、共感力も中程度。相手の話をしっかりと理解しながら、適切な判断を下すことが求められる場面に適しています。
- ローギア:回転数が遅く、共感力が高い状態です。相手の気持ちに寄り添い、深く共感することで信頼関係を築く必要があるときに有効です。
これらのギアを適切に切り替えることで、戦闘思考力をより柔軟かつ効果的に発揮できます。
戦闘思考力とは、ただ単に相手に言い返す能力ではありません。対話において、相手の意図や感情、プライドを読み取りながら冷静に対応し、自分の考えを論理的に伝える能力です。
これが必要とされるのは、たとえば複雑な会議の場面。異なる立場の同僚が様々な意見を持ち寄るなかで、どうやって建設的な結論にたどり着くか。ここで重要なのが、「分析能力」「考察能力」「発想能力」といったスキルです。これらを組み合わせることで、単なる議論を超えた、深いコミュニケーションが可能になります。
具体的な活用方法(ユニバーサルトーク×戦闘思考力)
- 分析と共感
相手の発言をよく分析し、その背景にある意図を理解することが第一歩です。「なぜその意見が出たのか」という背景に共感を示すことで、対話の基盤を強固にします。 - 一つの方向性を作る
参加者全員の立ち位置を確認し、「反対の意見をどうやって賛成側に引き寄せるか」ではなく、「どの立場からも納得できる新しい方向性を作れるか」を模索します。 - 再構築のプロセス
意見をまとめ上げます。最初にやり取りをした内容を基に、共感を共有することから始め、段階的に再構築していきます。
戦闘思考力を強化するためのルール
戦闘思考力を活用するためには、次の6つのルールを守ることが重要です。
- 勝たない – 勝ち負けにこだわらないこと。
- 答えを作る – 自分だけが「勝つ」ことよりも、全体の答えをつくることを優先する。
- 相手を負けさせない – 相手を傷つけず、尊重する。
- 相手を笑わせる – 雰囲気を和らげるためのユーモアも忘れずに。
- 悩ませない – 相手を不必要に困らせず、明確な方向性を示す。
- すっとさせる – 相手をすっきりさせ、対話のリズムを保つこと。
これらのルールを意識することで、相手にとっても自分にとっても価値のある会話が生まれます。
最後に
職場でのコミュニケーションは、単なる情報のやり取りではありません。そこには感情や価値観、プライドが入り交じり、しばしば混乱が生じます。しかし、「ユニバーサルトーク」と「戦闘思考力」を使えば、困難な会話も意味のあるものへと変えることができます。
職場での対話をもっと充実したものにしたい方は、ぜひこれらの思考法を日々の仕事に取り入れてみてください。それによって、これまでの「話がかみ合わない」状況を打破し、より充実した対話ができるようになるはずです。