【FIFA推奨】「FIFA 11+ for Kids」ウォームアップ:エクササイズ7「サイドロール」の進め方と注意点

子供の運動

はじめに

「FIFA 11+ for Kids」のウォームアッププログラムでは、最後にエクササイズ7「サイドロール」を実施します。このエクササイズはサッカー中に転倒してしまった時の安全な回転方法を学ぶため、怪我予防の観点からとても重要です。左右どちらの方向へもスムーズに回転できるようになると、実際のプレー中の転倒リスクを減らし、素早く起き上がることが可能になります。本記事では、安全かつ効果的に取り組むためのレベル別手順と注意点を詳しく解説します。

FIFA 11+ for Kidsウォームアッププログラム全体の進め方や注意事項はこちら。まずこちらを読んでくださいね。


エクササイズ7「サイドロール」の概要

  • 重点ポイント: 転倒の仕方と回転方法を学ぶ
  • 目的: 左右どちらの方向にもスムーズに回転できるようになる
  • 選手への指示:「ボールのように小さく丸くなろう!」

共通の注意点

  1. あごを胸に引き、腕の外側→肩→背中の順で斜め方向に回転
    • 頭を床に直接つけて真後ろに回転すると、首を痛めやすい。
    • 肩を先に接地させ、頭を守るように。
  2. 回転前に間隔を十分確保
    • 回転動作はスペースが必要。周囲と2メートル以上の間隔を取り、互いにぶつかるリスクを下げる。
    • 回転後も最低5秒は待ち、衝突や急な再動作を避ける。
  3. レベルを飛ばさない
    • 立ち上がっての回転や動きながらの回転は難易度が高い。
    • レベル1で正確なフォームを習得し、安全に行えるようになってから次のレベルへ進む。

レベル別ステップ

レベル1:しゃがんだ姿勢からの回転

  • 開始姿勢
    • 選手はしゃがんで2メートル間隔で並ぶ。
    • 両手を膝の前の地面につける。
  • 動作
    1. あごを引き、ほぼ胸に近づける。
    2. 回転は腕の外側→肩→背中の順で斜めに行う。
      • 例:右側に回転する場合、右腕の外側を斜め方向に当ててから右肩、背中の順。
    3. 回転後は足で着地し、コーチが次の合図を出すまで待機。
    4. 左右それぞれ5回ずつ行う。
  • セット例
    • 左右合計10回(片側5回ずつ)。
  • 注意
    • 頭を床に強く打たないよう、あごをしっかり胸に
    • 毎回の回転後に5秒以上待つことで、安全と集中を保つ。

レベル2:立った状態からゆっくり回転

  • 開始姿勢
    • 選手はまっすぐ立ち、2メートル間隔で並ぶ。
  • 動作
    1. レベル1の回転を立った状態から行う。
    2. 膝を曲げてしゃがみ込み、あごを胸に近づけるところまではゆっくり。
    3. 回転動作自体はレベル1と同様。
    4. 左右5回ずつ行う。
  • 注意
    • 立ち姿勢からしゃがむとき、バランスを崩して転びやすい。
    • 速度を出さず、フォームをしっかり身に付ける段階。

レベル3:立った状態からダイナミックに回転

  • 開始姿勢・動作
    • レベル2の要領で、素早くダイナミックにしゃがみ込んで回転。
    • レベル1で習得した斜め回転を勢いをつけて行う。
  • セット例
    • 左右5回ずつ。
  • 注意
    • 勢いをつける分、頭や肩をしっかりガードし、首を痛めないように。
    • コーチが合図のタイミングを明確にし、周囲との間隔を確認。

レベル4:ゆっくり歩きながら回転

  • 開始姿勢・動作
    • レベル3で覚えた素早い回転を、今度は「ゆっくり歩きながら」行う。
    • 歩いている途中でしゃがみ込み→斜め回転→起き上がる、を繰り返す。
    • 左右5回ずつを目安。
  • 注意
    • 移動中に急にしゃがむため、足元の芝や周りの選手との距離に注意。
    • 周囲が狭いと衝突リスクが増すので、必ず十分なスペースを確保。

レベル5:速めの前進運動から回転

  • 開始姿勢・動作
    • レベル4で安全に両方向回転できることが前提。
    • 今度は軽いジョギングなど速めの前進からしゃがみ込み、回転を行う。
    • 左右5回ずつ。
  • 注意
    • 走りながら回転するため、バランスを崩しやすい
    • コーチは開始の合図と回転の方向を的確に伝え、衝突や混乱を防ぐ。

修正すべきエラー

  1. 腕が伸びすぎている
    • 回転時、伸ばしすぎると衝撃を肩や腕だけで受け、ケガの原因。
    • あくまで斜めに丸く回るイメージ。
  2. 頭が地面に直接ついてしまい、真後ろへ回転している
    • 正面から見ると、首を痛めるリスク大。
    • 必ず斜め方向に肩と背中で回転するよう徹底。

まとめ:サイドロールで安全な転倒技術を身につけよう

エクササイズ7「サイドロール」は、サッカーに限らずスポーツ全般で安全な転倒方法を学ぶ上で非常に大切なメニュー。斜め方向への回転を覚えることで、頭や首を保護しながら素早く起き上がる術が身につきます。

  1. あごを胸に引いて、肩から斜めに回転
  2. 立ち状態や歩き・ジョギング状態でも安全に回転できるよう段階を踏む
  3. 毎回の回転後は最低5秒待ってから次の動作へ進む

子供たちが正しくサイドロールを身につければ、プレー中の不意な接触や転倒にも落ち着いて対応できるようになります。ぜひ練習に取り入れて、怪我予防と競技力アップを目指しましょう。

参考文献:FIFA 11+ FOR KIDS MANUAL A WARM-UP PROGRAMME FOR PREVENTING INJURIES IN CHILDREN’S FOOTBALL

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